カジノには今、さまざまな形態があります。オンラインベースのカジノもあれば、陸にないカジノすらあるのです。そう、それが「リバーボートカジノ」です。リバーボートカジノは、米ミシシッピ川で利用でき、地元民だけでなく観光客にとても人気を博しています。
リバーボートカジノの始まり
現在、リバーボートカジノが存在するのは、鉄道のおかげなのです。というのも、アメリカ全土で鉄道が普及した当時、主に移動手段として使われていたパドルホイール式のリバーボートが廃止されました。その結果、リバーボートはカジノとして利用されるようになったのです。陸上でのギャンブルを禁止していた州では、リバーボートの中にカジノを作り、水に浮かぶカジノとして運営するようになりました。

ただ普通のカジノではない
ギャンブラーにとって、リバーボートカジノは単なる娯楽ではありません。夏の猛暑から逃れて、さまざまなエンターテイメントを楽しむことができる快適な場所なのです。もちろん、ギャンブルゲームだけではなく、ライブミュージックやダンスを楽しむこともできます。人里離れた場所でリラックスしたい人のために、さまざまなアクティビティを提供していることも人気の理由のひとつなのです。
実際にリバーボートカジノは儲かる?
ここで唯一気になるのは、リバーボートカジノの運営は儲かるのかということです。ミシシッピ州のリバーボートギャンブル・カジノ産業の収益は、およそ6億5200万ドルに上ります。

この通り、利益は出ていますが、陸にあるカジノ実店舗やオンラインカジノとは明らかに違います。まず、リバーボートカジノを運営するためには、州と連邦政府両方の規制を遵守する必要があります。次に、年会費も支払わなければなりません。ペンシルバニア州では、リバーボートカジノを運営するには2万5000ドルのライセンス料を支払う必要があります。それに加え、船のキャパシティに対し一人当たり25ドルを支払う決まりになっています。つまり、400人収容のリバーボートカジノであれば、年間1万ドルを支払う必要があるということです。
このほかにも、いくつかの注意点があります。実は、リバーボートカジノでは、5ドル単位でしか賭けられないのです。その上、プレイヤーはどんなに負けても最大200ドルまでです。これにより、リバーボートカジノに訪れる人たちから得られる利益は限られてしまいます。また、メンテナンスにかかる費用も大きな問題となります。まるまる一軒カジノを建てるのに比べればコストがかからないとはいえ、船の維持費はさほど安いものではありません。古い船であればあるほど、メンテナンス費用はかなりかかってしまうのです。
2005年、ミシシッピ川でリバーボートカジノの大半が破壊されました。レストランやホテルもです。この事件の後、多くのリバーボートカジノが浜辺に再建されました。
リバーボートカジノでは、魅力あふれるギャンブル体験ができます。リラックスして過ごそうと訪れる場所に、楽しみと興奮を味わえるエンターテイメントです。しかし、先述した現実をふまえると、陸上カジノほど収益性は高くないかもしれません。それに加え、プロギャンブラーを呼び込もうとしても、必ず規制が足を引っ張ります。200ドルまでしか負けられないのであれば、ハイローラーがリバーボートカジノに来ることは期待できませんから